
2026年3月5日、第41回詩歌文学館賞(日本現代詩歌文学館振興会など主催)が発表された。俳句部門は「知音」代表・西村和子さん(77)の『素秋』(朔出版)に決まった。おめでとうございます。
西村和子『素秋』(朔出版・2025年)
◆内容紹介
人生の秋を「素」の心で詠む――
前作『わが桜』から5年。
句作60 年の歩みを重ねてきた第一線の俳人は、
人生の秋を深く見つめながら、なお清新な感性を失わない。
心の機微、日々の発見を一句一句に昇華させた珠玉の369 句。
令和元年から6年までの作品を収める注目の第九句集。◆自選12句
湖へ巒気流るる草津月
衣替へて居職の心定まりぬ
袖通さざるままのちの更衣
初鏡齢に嘘はつくまじく
駒返る草やくるぶしふくらはぎ
子へものを書けば遺書めく夜の秋
そののちの秋速かりし長かりし
はつふゆと息吹くやうに独り言
愚かなる人類に年改まる
蛇衣を脱ぎ少年の声太る
冴返る我が身にいくつ蝶番
夢に逢ふ時は壮年明易し
