【ミニ解説】
もともとは「歳(年)忘れ」といった風習が、近代に入って「忘年会」となった。
「忘年」というと、宴会などを暗示する「会」という言葉が入っていないぶん、「年忘れ」と「忘年会」の中間的なニュアンスになる。
【忘年(上五)】忘年や身ほとりのものすべて塵 桂信子忘年の山河はまざと鶴翔たず 齋藤玄
【忘年(中七)】田にひとつ燃え忘年の捨焚火 森澄雄身ほとりや濃き忘年の墓煙 飯島晴子
【忘年(下五)】
煌々と渇き渚・渚をずりゆく艾 …
メロン食ふたちまち湖を作りつつ…
熟れ麦はほろびのひかり夕日また…
しまうまがシャツ着て跳ねて夏来…
捩花の誤解ねぢれて空は青 細谷…
今年の蠅叩去年の蠅叩 山口昭男…