マンスリーゲスト

冷汗もかき本当の汗もかく　後藤立夫【季語＝汗（夏）】

涼しき灯すゞしけれども哀しき灯　久保田万太郎【季語＝涼し（夏）】

ここ迄来てしまつて急な手紙書いてゐる　尾崎放哉

離職者が荷をまとめたる夜の秋　川原風人【季語＝夜の秋（夏）】

汗の人ギユーツと眼つむりけり　京極杞陽【季語＝汗（夏）】

広島や卵食ふ時口ひらく　西東三鬼

思ひ出も金魚の水も蒼を帯びぬ　中村草田男【季語＝金魚（夏）】

筆先の紫紺の果ての夜光虫　有瀬こうこ【季語＝夜光虫（夏）】

苺まづ口にしショートケーキかな　高濱年尾【季語＝苺（夏）】

水羊羹のなかに棲みたる遠さかな　佐々木紺【季語＝水羊羹（夏）】

どの部屋に行つても暇や夏休み　西村麒麟【季語＝夏休み（夏）】

夏帽子大きく振りて角曲がる　大角泰子【季語＝夏帽子（夏）】

夕立の真只中を走り抜け　高濱年尾【季語＝夕立（夏）】

水蜘蛛を孕むまぶしい仮眠かな　未補【季語＝水蜘蛛（夏）】

ハイビーム消して螢へ突込みぬ　岩田奎【季語＝螢（夏）】

闇よりも山大いなる晩夏かな　飯田龍太【季語＝晩夏（夏）】

宿よりは遠くはゆかず夜の秋　高橋すゝむ【季語＝夜の秋（夏）】

蚊帳吊草辿れば少女の骨の闇　冬野虹【季語＝蚊帳吊草（夏）】

夏夕べ撫でつつ洗ふ母の足　柴田佐知子【季語＝夏夕べ（夏）】

子午線の町の風波梅雨に入る　友岡子郷【季語＝梅雨に入る（夏）】

ゆかた着のとけたる帯を持ちしまま　飯田蛇笏【季語＝浴衣（夏）】

章魚濁るむかしむかしの傷のいろ　瀬間陽子【季語＝章魚（夏）】

かたつむり会社黙つて休みけり　加藤静夫【季語＝かたつむり（夏）】

夏の風子の手吊環にとどきたる　大井雅人【季語＝夏の風（夏）】

明日のなきかに短夜を使ひけり　田畑美穂女【季語＝短夜（夏）】

合歓の花ゆふぐれ僕が僕を泣かす　若林哲哉【季語＝合歓の花（夏）】

全員サングラス全員初対面　西生ゆかり【季語＝サングラス（夏）】

どこまでもこの世なりけり舟遊び　川崎雅子【季語＝舟遊び（夏）】

夏めくや海へ向く窓うち開き　成瀬正俊【季語＝夏めく（夏）】

肉として何度も夏至を繰り返す　上野葉月【季語＝夏至（夏）】

ソーダ水いつでも恥ずかしいブルー　池田澄子【季語＝ソーダ水（夏）】

【レッツカラオケ句会】

暑き日のたゞ五分間十分間　高野素十【季語＝暑し（夏）】

ゆがんでゆく母語　手にとるものを、花を、だっけ　おおにしなお

動くたび干梅匂う夜の家　鈴木六林男【季語＝干梅（夏）】

混ぜて扇いで酢飯かがやく夏はじめ　越智友亮【季語＝夏はじめ（夏）】

滅却をする心頭のあり涼し　後藤比奈夫【季語＝涼し（夏）】

檸檬温室夜も輝いて地中海　青木ともじ

触れあって無傷でいたいさくらんぼ　田邊香代子【季語＝さくらんぼ（夏）】

銀紙をめくる長女の夏野がある　楠本奇蹄【季語＝夏野（夏）】

白衣より夕顔の花なほ白し　小松月尚【季語＝夕顔の花（夏）】

蛇は全長以外なにももたない　中内火星【季語＝蛇（夏）】

香水の中よりとどめさす言葉　檜紀代【季語＝香水（季語）】

汽水域ゆふなぎに私語ゆづりあひ　楠本奇蹄【季語＝夕凪（季語）】

人生の今を華とし風薫る　深見けん二【季語＝風薫る（夏）】

ひるがほや死はただ真白な未来　奥坂まや【季語＝昼顔（夏）】

蝶よ旅は車体を擦つてもつづく　大塚凱【季語＝蝶（春）】

ソフトクリーム一緒に死んでくれますやうに　垂水文弥【季語＝ソフトクリーム（夏）】

やす扇ばり／＼開きあふぎけり　高濱虚子【季語＝扇（夏）】

胸指して此処と言ひけり青嵐　藤井あかり【季語＝青嵐（夏）】

帰省せりシチューで米を食ふ家に　山本たくみ【季語＝帰省（夏）】

汗疹とは治せる病平城京　井口可奈【季語＝汗疹（夏）】

彼のことを聞いてみたくて目を薔薇に　今井千鶴子【季語＝薔薇（夏）】

萬緑や死は一弾を以て足る　上田五千石【季語＝萬緑（夏）】

青梅の最も青き時の旅　細見綾子【季語＝青梅（夏）】

姥捨つるたびに螢の指得るも　田中目八【季語＝螢（夏）】

みじかくて耳にはさみて洗ひ髪　下田實花【季語＝洗ひ髪（夏）】

日本の苺ショートを恋しかる　長嶋有【季語＝苺（夏）】

薄つぺらい虹だ子供をさらふには　土井探花【季語＝虹（夏）】

生きてゐて互いに笑ふ涼しさよ　橋爪巨籟【季語＝涼しさ（夏）】

天国は歴史ある国しやぼんだま　島田道峻【季語＝しやぼんだま（春）】

春の夢遠くの人に会ひに行く　西山ゆりこ【季語＝春の夢（春）】

造形を馬二匹駆け微風あり　超文学宣言

ゆく春や心に秘めて育つもの　松尾いはほ【季語＝ゆく春（春）】

次の世は雑木山にて芽吹きたし　池田澄子【季語＝芽吹く（春）】

夜間航海たちまち飽きて春の星　青木ともじ【季語＝春の星（春）】

早蕨の袖から袖へ噂めぐり　楠本奇蹄【季語＝早蕨（春）】

朝寝して居り電話又鳴つてをり　星野立子【季語＝朝寝（春）】

殺さないでください夜どほし桜ちる　中村安伸【季語＝桜散る（春）】

花仰ぐまた別の町別の朝　坂本宮尾【季語＝初蝶（春）】

歳時記は要らない目も手も無しで書け　御中虫

自転車がひいてよぎりし春日影　波多野爽波【季語＝春日影（春）】

ヰルスとはお前か俺か怖や春　高橋睦郎【季語＝春（春）】

初蝶や働かぬ日と働く日々　西川火尖【季語＝初蝶（春）】

本当にこの雨の中を行かなくてはだめか　パスカ

今日何も彼もなにもかも春らしく　稲畑汀子【季語＝春（春）】

ものの芽や年譜に死後のこと少し　津川絵理子【季語＝ものの芽（春）】

知り合うて別れてゆける春の山　藤原暢子【季語＝春の山（春）】

竹秋の恐竜柄のシャツの母　彌榮浩樹【季語＝竹秋（春）】

さよなら/私は/十貫目に痩せて/さよなら　高柳重信

宙吊りの東京の空春の暮　　AI一茶くん【季語＝春の暮（春）】

蚕のねむりいまうつしよで呼ぶ名前　大西菜生【季語＝蚕（春）】

Arab and Jew /walk past each other:/blind alleyway　Rick Black

寄り合つて散らばり合つて春の雲　黛執【季語＝春の雲（春）】

春深く剖かるるさえアラベスク　九堂夜想【季語＝春深し（春）】

のどかにも風力７の岬です　藤田哲史【季語＝のどか（春）】

春嵐たてがみとなる筑波山　木村小夜子【季語＝春嵐（春）】

落花無残にみやこは遠き花嵐　秦夕美/藤原月彦【季語＝落花（春）】

万の春瞬きもせず土偶　マブソン青眼【季語＝春（春）】

望まれて生まれて朧夜にひとり　横山航路【季語＝朧夜（春）】

あはゆきやほほゑめばすぐ野の兎　冬野虹【季語＝淡雪（春）】

津や浦や原子爐古び春古ぶ　高橋睦郎【季語＝春（春）】

お山のぼりくだり何かおとしたやうな　種田山頭火

時雨てよ足元が歪むほどに　夏目雅子【季語＝時雨（冬）】

春闌けてピアノの前に椅子がない　澤好摩【季語＝春闌く（春）】

銀行へまれに来て声出さず済む　林田紀音夫

知恵の輪を解けば二月のすぐ尽きる　村上海斗

古本の化けて今川焼愛し　清水崑【季語＝今川焼（冬）】

白驟雨桃消えしより核は冴ゆ　赤尾兜子【季語＝白驟雨（秋）】

出雲からくる子午線が春の猫　大岡頌司【季語＝春の猫（春）】

冷汗もかき本当の汗もかく 後藤立夫【季語＝汗（夏）】

涼しき灯すゞしけれども哀しき灯 久保田万太郎【季語＝涼し（夏）】

ここ迄来てしまつて急な手紙書いてゐる 尾崎放哉

離職者が荷をまとめたる夜の秋 川原風人【季語＝夜の秋（夏）】

汗の人ギユーツと眼つむりけり 京極杞陽【季語＝汗（夏）】

広島や卵食ふ時口ひらく 西東三鬼

思ひ出も金魚の水も蒼を帯びぬ 中村草田男【季語＝金魚（夏）】

筆先の紫紺の果ての夜光虫 有瀬こうこ【季語＝夜光虫（夏）】

苺まづ口にしショートケーキかな 高濱年尾【季語＝苺（夏）】

水羊羹のなかに棲みたる遠さかな 佐々木紺【季語＝水羊羹（夏）】

どの部屋に行つても暇や夏休み 西村麒麟【季語＝夏休み（夏）】

夏帽子大きく振りて角曲がる 大角泰子【季語＝夏帽子（夏）】

夕立の真只中を走り抜け 高濱年尾【季語＝夕立（夏）】

水蜘蛛を孕むまぶしい仮眠かな 未補【季語＝水蜘蛛（夏）】

ハイビーム消して螢へ突込みぬ 岩田奎【季語＝螢（夏）】

闇よりも山大いなる晩夏かな 飯田龍太【季語＝晩夏（夏）】

宿よりは遠くはゆかず夜の秋 高橋すゝむ【季語＝夜の秋（夏）】

蚊帳吊草辿れば少女の骨の闇 冬野虹【季語＝蚊帳吊草（夏）】

夏夕べ撫でつつ洗ふ母の足 柴田佐知子【季語＝夏夕べ（夏）】

子午線の町の風波梅雨に入る 友岡子郷【季語＝梅雨に入る（夏）】

ゆかた着のとけたる帯を持ちしまま 飯田蛇笏【季語＝浴衣（夏）】

章魚濁るむかしむかしの傷のいろ 瀬間陽子【季語＝章魚（夏）】

かたつむり会社黙つて休みけり 加藤静夫【季語＝かたつむり（夏）】

夏の風子の手吊環にとどきたる 大井雅人【季語＝夏の風（夏）】

明日のなきかに短夜を使ひけり 田畑美穂女【季語＝短夜（夏）】

合歓の花ゆふぐれ僕が僕を泣かす 若林哲哉【季語＝合歓の花（夏）】

全員サングラス全員初対面 西生ゆかり【季語＝サングラス（夏）】

どこまでもこの世なりけり舟遊び 川崎雅子【季語＝舟遊び（夏）】

夏めくや海へ向く窓うち開き 成瀬正俊【季語＝夏めく（夏）】

肉として何度も夏至を繰り返す 上野葉月【季語＝夏至（夏）】

ソーダ水いつでも恥ずかしいブルー 池田澄子【季語＝ソーダ水（夏）】

【レッツカラオケ句会】

暑き日のたゞ五分間十分間 高野素十【季語＝暑し（夏）】

ゆがんでゆく母語 手にとるものを、花を、だっけ おおにしなお

動くたび干梅匂う夜の家 鈴木六林男【季語＝干梅（夏）】

混ぜて扇いで酢飯かがやく夏はじめ 越智友亮【季語＝夏はじめ（夏）】

滅却をする心頭のあり涼し 後藤比奈夫【季語＝涼し（夏）】

檸檬温室夜も輝いて地中海 青木ともじ

触れあって無傷でいたいさくらんぼ 田邊香代子【季語＝さくらんぼ（夏）】

銀紙をめくる長女の夏野がある 楠本奇蹄【季語＝夏野（夏）】

白衣より夕顔の花なほ白し 小松月尚【季語＝夕顔の花（夏）】

蛇は全長以外なにももたない 中内火星【季語＝蛇（夏）】

香水の中よりとどめさす言葉 檜紀代【季語＝香水（季語）】

汽水域ゆふなぎに私語ゆづりあひ 楠本奇蹄【季語＝夕凪（季語）】

人生の今を華とし風薫る 深見けん二【季語＝風薫る（夏）】

ひるがほや死はただ真白な未来 奥坂まや【季語＝昼顔（夏）】

蝶よ旅は車体を擦つてもつづく 大塚凱【季語＝蝶（春）】

ソフトクリーム一緒に死んでくれますやうに 垂水文弥【季語＝ソフトクリーム（夏）】

やす扇ばり／＼開きあふぎけり 高濱虚子【季語＝扇（夏）】

胸指して此処と言ひけり青嵐 藤井あかり【季語＝青嵐（夏）】

帰省せりシチューで米を食ふ家に 山本たくみ【季語＝帰省（夏）】

汗疹とは治せる病平城京 井口可奈【季語＝汗疹（夏）】

彼のことを聞いてみたくて目を薔薇に 今井千鶴子【季語＝薔薇（夏）】

萬緑や死は一弾を以て足る 上田五千石【季語＝萬緑（夏）】

青梅の最も青き時の旅 細見綾子【季語＝青梅（夏）】

姥捨つるたびに螢の指得るも 田中目八【季語＝螢（夏）】

みじかくて耳にはさみて洗ひ髪 下田實花【季語＝洗ひ髪（夏）】

日本の苺ショートを恋しかる 長嶋有【季語＝苺（夏）】

薄つぺらい虹だ子供をさらふには 土井探花【季語＝虹（夏）】

生きてゐて互いに笑ふ涼しさよ 橋爪巨籟【季語＝涼しさ（夏）】

天国は歴史ある国しやぼんだま 島田道峻【季語＝しやぼんだま（春）】

春の夢遠くの人に会ひに行く 西山ゆりこ【季語＝春の夢（春）】

造形を馬二匹駆け微風あり 超文学宣言

ゆく春や心に秘めて育つもの 松尾いはほ【季語＝ゆく春（春）】

次の世は雑木山にて芽吹きたし 池田澄子【季語＝芽吹く（春）】

夜間航海たちまち飽きて春の星 青木ともじ【季語＝春の星（春）】

早蕨の袖から袖へ噂めぐり 楠本奇蹄【季語＝早蕨（春）】

朝寝して居り電話又鳴つてをり 星野立子【季語＝朝寝（春）】

殺さないでください夜どほし桜ちる 中村安伸【季語＝桜散る（春）】

花仰ぐまた別の町別の朝 坂本宮尾【季語＝初蝶（春）】

歳時記は要らない目も手も無しで書け 御中虫

自転車がひいてよぎりし春日影 波多野爽波【季語＝春日影（春）】

ヰルスとはお前か俺か怖や春 高橋睦郎【季語＝春（春）】

初蝶や働かぬ日と働く日々 西川火尖【季語＝初蝶（春）】

本当にこの雨の中を行かなくてはだめか パスカ

今日何も彼もなにもかも春らしく 稲畑汀子【季語＝春（春）】

ものの芽や年譜に死後のこと少し 津川絵理子【季語＝ものの芽（春）】

知り合うて別れてゆける春の山 藤原暢子【季語＝春の山（春）】

竹秋の恐竜柄のシャツの母 彌榮浩樹【季語＝竹秋（春）】

冷汗もかき本当の汗もかく　後藤立夫【季語＝汗（夏）】

涼しき灯すゞしけれども哀しき灯　久保田万太郎【季語＝涼し（夏）】

ここ迄来てしまつて急な手紙書いてゐる　尾崎放哉

離職者が荷をまとめたる夜の秋　川原風人【季語＝夜の秋（夏）】

汗の人ギユーツと眼つむりけり　京極杞陽【季語＝汗（夏）】

広島や卵食ふ時口ひらく　西東三鬼

思ひ出も金魚の水も蒼を帯びぬ　中村草田男【季語＝金魚（夏）】

筆先の紫紺の果ての夜光虫　有瀬こうこ【季語＝夜光虫（夏）】

苺まづ口にしショートケーキかな　高濱年尾【季語＝苺（夏）】

水羊羹のなかに棲みたる遠さかな　佐々木紺【季語＝水羊羹（夏）】

どの部屋に行つても暇や夏休み　西村麒麟【季語＝夏休み（夏）】

夏帽子大きく振りて角曲がる　大角泰子【季語＝夏帽子（夏）】

夕立の真只中を走り抜け　高濱年尾【季語＝夕立（夏）】

水蜘蛛を孕むまぶしい仮眠かな　未補【季語＝水蜘蛛（夏）】

ハイビーム消して螢へ突込みぬ　岩田奎【季語＝螢（夏）】

闇よりも山大いなる晩夏かな　飯田龍太【季語＝晩夏（夏）】

宿よりは遠くはゆかず夜の秋　高橋すゝむ【季語＝夜の秋（夏）】

蚊帳吊草辿れば少女の骨の闇　冬野虹【季語＝蚊帳吊草（夏）】

夏夕べ撫でつつ洗ふ母の足　柴田佐知子【季語＝夏夕べ（夏）】

子午線の町の風波梅雨に入る　友岡子郷【季語＝梅雨に入る（夏）】

ゆかた着のとけたる帯を持ちしまま　飯田蛇笏【季語＝浴衣（夏）】

章魚濁るむかしむかしの傷のいろ　瀬間陽子【季語＝章魚（夏）】

かたつむり会社黙つて休みけり　加藤静夫【季語＝かたつむり（夏）】

夏の風子の手吊環にとどきたる　大井雅人【季語＝夏の風（夏）】

明日のなきかに短夜を使ひけり　田畑美穂女【季語＝短夜（夏）】

合歓の花ゆふぐれ僕が僕を泣かす　若林哲哉【季語＝合歓の花（夏）】

全員サングラス全員初対面　西生ゆかり【季語＝サングラス（夏）】

どこまでもこの世なりけり舟遊び　川崎雅子【季語＝舟遊び（夏）】

夏めくや海へ向く窓うち開き　成瀬正俊【季語＝夏めく（夏）】

肉として何度も夏至を繰り返す　上野葉月【季語＝夏至（夏）】

ソーダ水いつでも恥ずかしいブルー　池田澄子【季語＝ソーダ水（夏）】

暑き日のたゞ五分間十分間　高野素十【季語＝暑し（夏）】

ゆがんでゆく母語　手にとるものを、花を、だっけ　おおにしなお

動くたび干梅匂う夜の家　鈴木六林男【季語＝干梅（夏）】

混ぜて扇いで酢飯かがやく夏はじめ　越智友亮【季語＝夏はじめ（夏）】

滅却をする心頭のあり涼し　後藤比奈夫【季語＝涼し（夏）】

檸檬温室夜も輝いて地中海　青木ともじ

触れあって無傷でいたいさくらんぼ　田邊香代子【季語＝さくらんぼ（夏）】

銀紙をめくる長女の夏野がある　楠本奇蹄【季語＝夏野（夏）】

白衣より夕顔の花なほ白し　小松月尚【季語＝夕顔の花（夏）】

蛇は全長以外なにももたない　中内火星【季語＝蛇（夏）】

香水の中よりとどめさす言葉　檜紀代【季語＝香水（季語）】

汽水域ゆふなぎに私語ゆづりあひ　楠本奇蹄【季語＝夕凪（季語）】

人生の今を華とし風薫る　深見けん二【季語＝風薫る（夏）】

ひるがほや死はただ真白な未来　奥坂まや【季語＝昼顔（夏）】

蝶よ旅は車体を擦つてもつづく　大塚凱【季語＝蝶（春）】

ソフトクリーム一緒に死んでくれますやうに　垂水文弥【季語＝ソフトクリーム（夏）】

やす扇ばり／＼開きあふぎけり　高濱虚子【季語＝扇（夏）】

胸指して此処と言ひけり青嵐　藤井あかり【季語＝青嵐（夏）】

帰省せりシチューで米を食ふ家に　山本たくみ【季語＝帰省（夏）】

汗疹とは治せる病平城京　井口可奈【季語＝汗疹（夏）】

彼のことを聞いてみたくて目を薔薇に　今井千鶴子【季語＝薔薇（夏）】

萬緑や死は一弾を以て足る　上田五千石【季語＝萬緑（夏）】

青梅の最も青き時の旅　細見綾子【季語＝青梅（夏）】

姥捨つるたびに螢の指得るも　田中目八【季語＝螢（夏）】

みじかくて耳にはさみて洗ひ髪　下田實花【季語＝洗ひ髪（夏）】

日本の苺ショートを恋しかる　長嶋有【季語＝苺（夏）】

薄つぺらい虹だ子供をさらふには　土井探花【季語＝虹（夏）】

生きてゐて互いに笑ふ涼しさよ　橋爪巨籟【季語＝涼しさ（夏）】

天国は歴史ある国しやぼんだま　島田道峻【季語＝しやぼんだま（春）】

春の夢遠くの人に会ひに行く　西山ゆりこ【季語＝春の夢（春）】

造形を馬二匹駆け微風あり　超文学宣言

ゆく春や心に秘めて育つもの　松尾いはほ【季語＝ゆく春（春）】

次の世は雑木山にて芽吹きたし　池田澄子【季語＝芽吹く（春）】

夜間航海たちまち飽きて春の星　青木ともじ【季語＝春の星（春）】

早蕨の袖から袖へ噂めぐり　楠本奇蹄【季語＝早蕨（春）】

朝寝して居り電話又鳴つてをり　星野立子【季語＝朝寝（春）】

殺さないでください夜どほし桜ちる　中村安伸【季語＝桜散る（春）】

花仰ぐまた別の町別の朝　坂本宮尾【季語＝初蝶（春）】

歳時記は要らない目も手も無しで書け　御中虫

自転車がひいてよぎりし春日影　波多野爽波【季語＝春日影（春）】

ヰルスとはお前か俺か怖や春　高橋睦郎【季語＝春（春）】

初蝶や働かぬ日と働く日々　西川火尖【季語＝初蝶（春）】

本当にこの雨の中を行かなくてはだめか　パスカ

今日何も彼もなにもかも春らしく　稲畑汀子【季語＝春（春）】

ものの芽や年譜に死後のこと少し　津川絵理子【季語＝ものの芽（春）】

知り合うて別れてゆける春の山　藤原暢子【季語＝春の山（春）】

竹秋の恐竜柄のシャツの母　彌榮浩樹【季語＝竹秋（春）】

さよなら/私は/十貫目に痩せて/さよなら　高柳重信

宙吊りの東京の空春の暮　　AI一茶くん【季語＝春の暮（春）】