さくらんぼ洗ひにゆきし灯がともり 千原草…
甘き花呑みて緋鯉となりしかな) 坊城俊樹…
田螺容れるほどに洗面器が古りし) 加倉井…
詠みし句のそれぞれ蝶と化(け)しにけり …
永き日や相触れし手は触れしまま 日野草城…
未婚一生洗ひし足袋の合掌す) 寺田京子 …
片影にこぼれし塩の点々たり 大野林火(『…
幻影の春泥に投げ出されし靴 星野立子(『…
南天のはやくもつけし実のあまた 中川宋淵…