折口信夫に「妣が国へ・常世へ」と題されたエッセイがある。「すさのをのみことが、青山を枯山なす迄慕ひ歎き、いなひのみことが、波の穂を踏んで渡られた「妣が国」は、われわれの祖たちの恋慕した魂のふる郷であつたのであらう」と書く折口の神話学/季節論を、恩田は間違いなく踏まえている。少し強めの風が夏草を煽りながら、歴史の古層までわたっていくようだ。『夢洗ひ』(2016)所収。(堀切克洋)
【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】
一つづつ包むパイ皮春惜しむ 代…
【春の季語=晩春(4月)】春惜…
たくさんのお尻の並ぶ汐干かな …
わが家の見えて日ねもす蝶の野良…
抱きしめてもらへぬ春の魚では …
古池やにとんだ蛙で蜘蛛るTEL…