【春の季語=初春(2月)】蝶生る

」は春の季語。「初蝶」というと、春にはじめて目にした蝶を指すが、「早春」にいよいよ蝶が生まれる時期になったことを感慨深く示す季語が「蝶生る」である。まだ完全には春らしい景色のなかで見つける蝶は、冬と春のあわいにあって、独特の感覚をもたらす対象となる。

現行教育の送り仮名にそって「蝶生まる」と「ま」を送ることもある。


【蝶生る(上五)】
蝶生るゝことに木挽の身のほとり 飴山實
蝶生る女人高野の森の奥 有馬朗人
蝶生まれ翅をひらきぬ西東 鷹羽狩行
蝶生る樹々は根方に日を集め 北杜 青

【蝶生る(中七)】

【蝶生る(下五)】
明日香路の今日限りなく蝶生れむ 能村登四郎
流雲の穂に高山の蝶生れ 上田五千石
大切な人の掌蝶生る 辻内京子
山頂は人待つところ蝶生れ 津川絵理子 
蝶々のあそぶ只中蝶生る 髙柳克弘

【ほかの季語と】
布団干す妻の辺に蝶生れけり 草間時彦



【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】



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