【解説】
冬の水。冬ならではの透明感と冷ややかさがある。
なんといっても、
冬の水一枝の影も欺かず 中村草田男
が有名な一句。
【冬の水(上五)】
冬の水一枝の影も欺かず 中村草田男
冬の水わが身をながれ細りけり 高屋窓秋
冬の水すこし掬む手にさからへり 飯田蛇笏
冬の水呑んで動かす喉佛 老川敏彦
冬の水熱ある口にやはらかき 林翔
冬の水突つつく指を映しけり 千葉皓史
【冬の水(中七)】
【冬の水(下五)】
うつる灯のしづかに深く冬の水 高濱年尾
ただひとりにも波を打つ冬の水 塩野谷仁
命あるものは沈みて冬の水 片山由美子
啄めばちりちり鳴らむ冬の水 夏井いつき
翡翠の過ぎたるのちの冬の水 藤井あかり