黒き魚ひそみをりとふこの井戸のつめたき水…
麦からを焼く火にひたと夜は来ぬ 長谷川素…
ジェラートを売る青年の空腹よ) 安里琉太…
葉桜の夜へ手を出すための窓) 加倉井秋を…
露地裏を夜汽車と思ふ金魚かな 攝津幸彦 …
「ワイシャツのアイロンがけをしてほしい」…
桐咲ける景色にいつも沼を感ず) 加倉井秋…
きりんの子かゞやく草を喰む五月) 杉山久…
星老いる日の大蛤を生みぬ) 三枝桂子) …
切腹をしたことがない腹を撫で 土橋螢 ぽ…
スタールビー海溝を曳く琴騒の 八木三日女…
蟲鳥のくるしき春を不爲 高橋睦郎 「不爲…