藍を着古し 棚田の 父祖の 翳となる 上…
目薬に涼しく秋を知る日かな 内藤鳴雪 内…
金閣をにらむ裸の翁かな 大木あまり 連日…
暑き夜の惡魔が頤をはづしゐる 佐藤鬼房 …
炎天を山梨にいま来てをりて 千原草之(ち…
梅漬けてあかき妻の手夜は愛す 能村登四郎…
水を飲む風鈴ふたつみつつ鳴る() 今井肖…
かけろふやくだけて物を思ふ猫 論派 この…
夕焼や答へぬベルを押して立つ 久保ゐの吉…
水底を涼しき風のわたるなり 会津八一(上…
でで虫の繰り出す肉に遅れをとる 飯島晴子…
蚊を食つてうれしき鰭を使ひけり 日原傳 …