【秋の季語】稲の花

【秋の季語=初秋(8月)】稲の花

稲は、梅雨明けして晴れの日が多くなる高温で猛暑のころに、地味で小さな花を咲かせはじめる。

自分の花粉で受粉する自家受粉の植物であるため、同じ穂の中で開花授粉が成立する。とはいえ、花を傷つけると受粉ができない(=お米ができない)ので、デリケートに扱わねばならない。

「富草の花」ともいう。


【稲の花(上五)】
稲の花愛する人は受精せり 高屋窓秋
稲の花一茶にありし貧と貪 伊藤伊那男

【稲の花(中七)】

【稲の花(下五)】
湯治二十日山を出づれば稲の花 正岡子規
駒ヶ根に日和定めて稲の花 井上井月
遠祖のひとりと会いぬ稲の花 宇多喜代子
比良よりの風得て匂ふ稲の花 朝妻力
赤ん坊の乳に吸ひつく稲の花 長谷川櫂
空へゆく階段のなし稲の花 田中裕明
寝室にねむりの匂ひ稲の花 鈴木光影


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