【ミニ解説】
「引鴨」を動詞的に用いた季語。「鴨帰る」とも。
【鴨引く(上五)】鴨引いて記すべきもなき日を継げる 上田五千石鴨引きて放心のさま鳶にあり 百合山羽公池の鴨引き際いさぎよかりけり 鈴木真砂女
【鴨引く(中七)】水離れ際やかに鴨引かんとす 上田五千石病室に鴨引く声の縷となりぬ 斎藤玄目つむりて鴨引くこゑとなりゐたる 森澄雄新陵の鴨引く空となりにけり 石田勝彦
【鴨引く(下五)】観潮の帰航の雲に鴨引ける 飯田蛇笏天高く地をはなしては鴨引くか 松村蒼石
【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】
しまうまがシャツ着て跳ねて夏来…
捩花の誤解ねぢれて空は青 細谷…
今年の蠅叩去年の蠅叩 山口昭男…
かんぱちも乗せて離島の連絡船 …
毎月第1日曜日は、歌人・服部崇…
再縁といへど目出度し桜鯛 麻葉…