【冬の季語】水仙

【冬の季語=晩冬(1月)】水仙

黄色い花を咲かせる「黄水仙」は春の季語とする。冬の季語としての「水仙」は、白い。

和名スイセンという名は、中国での呼び名「水仙」を音読みしたもの。中国で名付けられた漢名の「水仙」は、「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来する。水辺に育ち、仙人のように寿命が長く、清らかなという意味から名付けられたとされる。

「喇叭水仙」も春の季語。


【水仙(上五)】
水仙や古鏡の如く花をかかぐ 松本たかし
水仙やしーんとじんるいを悼み 永末恵子
水仙の花の震へを聞き取れず 古屋宏子
水仙を境界として棲みにけり 岩淵喜代子
水仙の小さなかほの犇めきぬ 石田郷子
水仙や男をまたぎ水飲みに 小林貴子

【水仙(中七)】
蛇崩れの坂を水仙負ひ下る 友岡子郷
吹かるるは水仙そして土星の環 佐怒賀正美
距離おくといふこと水仙を隔て 藤井あかり

【水仙(下五)】
明るさは海よりのもの野水仙 稲畑汀子


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