【夏の季語】涼しさ

【夏の季語=三夏(5月〜7月)】涼しさ

形容詞「涼しい」「涼し」の名詞形。


【涼しさ(上五)】
涼しさやいたるところに翁の目  本多佑子
涼しさのこの木まだまだ大きくなる 神野紗希

【涼しさ(中七)】
大の字に寝て涼しさよ淋しさよ 小林一茶
うれしさに涼しさに須磨の恋しさに 正岡子規
一線を置く涼しさは心にも 田畑美穂女
日光月光すずしさの杖いつぽん 黒田杏子
カナリアを飼ふ涼しさを訪へとこそ 依光正樹

【涼しさ(下五)】
こけし売るすり膝尼の涼しさよ 石川桂郎
なかんづく古九谷の黄の涼しさよ 沢木欣一
いくら食べても笹といふ涼しさよ 後藤比奈夫
亀泳ぐ手足ばらばらの涼しさよ 鈴木貞雄
そら豆を擂り流したる涼しさよ 長谷川櫂
ひとの掌に手をあづけゐる涼しさよ 正木ゆう子
みほとけに見下ろされゐる涼しさよ 片山由美子
こゑにして花の名前の涼しさよ 依光陽子
水は水に欲情したる涼しさよ 中村安伸
マンモスの肋くぐりて涼しさよ 金山桜子

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