
【冬の季語=三冬(11-1月)】鶴
10月中旬から12月頃にかけて、日本列島には越冬のためシベリアから渡来する。
なかでも風雪に耐えながら自らの翼に首をうずめて片脚で立っている鶴のことは「凍鶴」と呼ばれる。
「鶴来る」は晩秋の、「鶴帰る」(=「引鶴」)は仲春の季語とされる。

俳誌の「鶴」は、1937年、「馬酔木」の新人会機関誌「馬」と石橋辰之助の「樹氷林」を合併する形で東京にて石田波郷を主宰として創刊。
【鶴(上五)】
鶴舞ふや日は金色の雲を得て 杉田久女
鶴の宿一人の膳を子が覗く 大串章
鶴眠るころか蝋燭より泪 鳥居真里子
【鶴(中七)】
風になりたし鶴の絵本をひろげいる 酒井弘司
【鶴(下五)】
どれとなく彼方のものを鶴と指す 谷口智行
夜は好き 鶴が孤独じゃないけれど 田村奏天
【ほかの季語と】