【ニュース】日販とトーハン赤字転落、取次撤退の危機感広がる


日販GHDとトーハンが2026年3月期決算で最終赤字に転落した。輸送コスト高騰と雑誌・コミック減収が主な原因。取次事業は出版社から本や雑誌を書店に配本する仕事で、日販・トーハンの二社が最大手。

日販GHDとトーハンの26年3月期、そろって最終赤字 輸送コスト増(日本経済新聞、6月1日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC292TG0Z20C26A5000000

日販GHDの最終損益は24億円の赤字(前の期は4億1600万円の黒字)。9日の決算記者会見で富樫建社長は「取次事業の撤退も検討しなければならない環境が迫っているという危機感を持っている」と述べた。トーハンの最終損益は11億円の赤字(同18億円の黒字)に転落した。同社は2025年2月に日販が撤退したファミリーマートとローソンへの取次を引き継いでいた。

物流業界では、トラック運転手の「長時間労働」や「賃金水準の低下」を是正する観点から、2026年4月に「改正貨物自動車運送事業法(トラック新法)」と「改正物流効率化法」が施行された。これにより今後は、トラック輸送の運賃も上昇していく見込み。もし両社の取次撤退が現実化すれば、中小出版社や書店網に深刻な影響が出る恐れがある。

紀伊国屋書店などが出資するブックセラーズ&カンパニー(東京・新宿)は2027年3月期までに取次を介さない直接取引額を国内の書籍取引全体の1割にあたる年間500億円規模に引き上げているが、今後は書店ビジネスの商慣習が大きく転換することが予想される。一方で、トーハンは書店のない地域などと連携して、書店がない自治体の解消を目指している。

「書店」がない上郡町と出版取次大手トーハンが県内初の地域連携協定(朝日新聞、2025年9月26日)
https://www.asahi.com/articles/AST9T4JLQT9TPIHB00RM.html

紙の書籍・雑誌の推定販売金額、50年ぶり1兆円割れ…雑誌の落ち込み際立つ(読売新聞、1月26日)
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/articles/20260126-GYT1T00145/



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