夏の季語

【夏の季語】夏座敷

【夏の季語=三夏(5〜7月)】夏座敷

主に日本家屋において、涼しさを求めて風通しをよくした座敷のこと。

夏になると、冬から春にかけて使われていた障子や襖を取り外したり、見た目にも涼しさが感じられるように「簾」を吊ったり、「蒲筵」を敷くなどして座敷を夏向きにしつらえる。

簾戸は簾をはめ込んだ建具のことで「夏障子」、「葭戸」、「葭障子」などとも呼ばれる。京町屋などでは季節の変わり目に「住まいの衣替え」とも言える「建具替え」を行なう習慣が残っている。

ただし、「冷房」が常用される現代においては実用的な涼しさというより、見た目の涼感を特に意識されることが多い。


【夏座敷(上五)】
夏座敷会取立る大工町 井原西鶴

【夏座敷(中七)】

【夏座敷(下五)】
茅舎の死ある夜ひとりの夏座敷 飯田龍太
在りし日のままの堆書の夏座敷 山田弘子
いづこにも生者ゐて喪の夏座敷 辻田克巳
菱形に赤子をくるみ夏座敷 対中いずみ
さしあたり物の少なき夏座敷 岩田由美



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【秋の季語】露草/月草 ほたる草 ばうし花
  2. 【新年の季語】門松
  3. 【新年の季語】包丁始(庖丁始)
  4. 【春の季語】蛇穴を出づ
  5. 【冬の季語】水仙
  6. 【冬の季語】梅早し
  7. 【春の季語】雛祭
  8. 【新年の季語】歌かるた(歌がるた)

おすすめ記事

  1. 【夏の季語】【秋の季語】原爆忌/広島忌 長崎忌
  2. 自愛の卓ポテトチップは冬のうろこ 鈴木明【季語=冬(冬)】
  3. 【新番組】ゆる俳句ラジオ「鴨と尺蠖」【第1回】
  4. 後の月瑞穂の国の夜なりけり 村上鬼城【季語=後の月(秋)】
  5. 「パリ子育て俳句さんぽ」【5月14日配信分】
  6. 【新連載】漢字という親を棄てられない私たち/井上泰至【第1回】
  7. 【結社推薦句】コンゲツノハイク【2022年4月分】
  8. 半夏蛸とは化けて出る蛸かとも 後藤比奈夫【季語=半夏(夏)】
  9. 青大将この日男と女かな 鳴戸奈菜【季語=青大将(夏)】
  10. 氷に上る魚木に登る童かな 鷹羽狩行【季語=紅梅(春)】

Pickup記事

  1. 【春の季語】鷹鳩と化す
  2. 本の山くづれて遠き海に鮫 小澤實【季語=鮫(冬)】
  3. 冴えかへるもののひとつに夜の鼻 加藤楸邨【季語=冴返る(春)】
  4. 【冬の季語】十二月
  5. 犬の仔のすぐにおとなや草の花 広渡敬雄【季語=草の花(秋)】
  6. 両の眼の玉は飴玉盛夏過ぐ 三橋敏雄【季語=盛夏(夏)】
  7. 【冬の季語】冬来たる(冬来る)
  8. 神保町に銀漢亭があったころ【第45回】西村厚子
  9. みちのくに戀ゆゑ細る瀧もがな 筑紫磐井【季語=滝(夏)】
  10. 【連載】漢字という親を棄てられない私たち/井上泰至【第5回】
PAGE TOP