【春の季語】踏絵

【春の季語=初春(2月)】踏絵

江戸幕府がキリスト教禁止政策の一環として、隠れキリシタン(隠れキリシタン)を発見・判別するためにキリストやマリアの像(銅板や木板)を足で踏ませた制度のこと。1628年(寛永5年)から約230年間続いた。歴史的仮名遣いは「ふみゑ」。


【踏絵(上五)】
踏絵してキリストの眼のなくなりぬ 滝沢伊代次
踏絵の町石だたみ道磨滅つづく 細見綾子
踏絵図の女の足の白さかな 鈴木鷹夫
踏絵ふまざれば獄門ふめば地獄 岩岡中正
踏絵から先祖逃れて夫のあり 辻村麻乃
踏絵してよりもの言はぬ人となり 藤井啓子

【踏絵(中七)】
はなばなを踏絵のごとく踏みゆけり 平井照敏
腰撓め踏絵見し腋汗走る 小林康治
手をついて踏絵舐めをりむらの奥 大屋達治
使ひべりせぬ踏絵を貸してあげる 櫂未知子

【踏絵(下五)】
太柱の蔭よりいでて踏絵かな 野村喜舟
影は個々のサボテンとなる踏絵の裔 橋閒石
わが影の先走りたる踏絵かな 飯島晴子
岬に集る無言の提灯踏絵の町 金子兜太
蹠のほのあたたかき踏絵かな 清水縞午

【その他】
四温の日踏絵の町の皿うどん 角川源義
深夜帰宅山茶花踏絵の如く踏み 楠本憲吉
灼けし環礁踏絵の如く歩みゆく 岸本マチ子
とりあへず踏む何の絵かわからねど 堀田季何




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