冬の季語

【冬の季語】一月

【冬の季語=晩冬(1月)】一月

現在の1月は、陰暦の「睦月」。グレゴリオ暦で年の第1の月に当たり、31日間ある。

冒頭には新年を迎える「正月」があり、落ち着くころには「寒の入り」があり、寒さもだんだんと深まっていくころ。地方によっては、かなり厳しい寒さを迎える場所も多い。


【一月(上五)】
一月となりけり雪も降りにけり 正岡子規
一月や去年の日記なほ机辺 高濱虚子
一月のうす日さしくる障子かな 久保田万太郎
一月の音にはたらく青箒 能村登四郎
一月の低地少年の髪をおもひ 飯島晴子
一月の全景として鷗二羽 塩野谷仁
一月の畦まつすぐに行くほかなし 吉田未灰
一月のさよりの銀を一包み 辻桃子
一月の光る河口に来る鷗 内村恭子
一月や一月といふ心にて 櫛部天思
一月を転ばぬやうに生きめやも 堀切克洋

【一月(中七)】
琅玕や一月沼の横たはり 石田波郷
湯屋の湯にまだ一月とおもいけり 宇多喜代子
村じゅうにある一月の浪の音 岡田耕治
風熄んで一月の空ありにけり 日下野由季

【一月(下五)】
法皇のぴかぴかの濤の一月 飯島晴子


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