冬の季語

【冬の季語】冬木の芽

【冬の季語=三冬(1月)】冬木の芽

辛夷」「木蓮」「」「」などの「裸木」となった落葉樹は、春にほころびて花を咲かせるので、まだ春を迎える前から、これらの木の芽はよく目につく。一月ともなれば、おのずと「春を待つ」心持ちも重なる。「冬芽」とも。


【冬木の芽(上五)】
冬木の芽水にひかりの戻りけり 角川照子
冬木の芽ことば育ててゐるごとし 片山由美子
冬木の芽ばさらさらばと目をさます 甲斐いちびん

【冬木の芽(中七)】

【冬木の芽(下五)】
ことごとく空に触れゐる冬木の芽 波多野爽波
看取る人看取らるる人冬木の芽 三島広志
ドアマンの大きな傘や冬木の芽 宮本素子
自づから輝くものに冬木の芽 白石渕路
窓に寄り太陽遠し冬木の芽 南十二国
身のうちに心音ふたつ冬木の芽 日下野由季
学びては知らぬこと増え冬木の芽 堀切克洋


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