【夏の季語】車前草の花

【夏の季語=初夏(5月)】車前草の花

おおばこの花。歴史的仮名遣いは「おほばこのはな」。

原野、路傍に自生する。初夏、地味で目立たないが、茎の上部に白い小花を穂状に咲かせる。

中国では車前、車前草(しゃぜんそう)ともいうが、人や車が多く通る道によく生え、踏みつけに強いことからこの名がある。

実が季語として扱われることがないので、『ホトトギス季寄せ』などでは、「車前草」だけでも夏の季題としてある。


【車前草の花(上五)】
車前草の花のふるへる山の湖 大坪景章
おほばこの花に風吹く船揃 友岡子郷
車前草の花が土下座の奥の院 檜紀代

【車前草の花(中七)】
日食の車前草乾き戦車過ぐ 宮武寒々

【車前草の花(下五)】
近ぢかと路よけあふや車前草鳴る 中村草田男

【ほかの季語と】
夕立の脚車前草をはなれけり 清原枴童



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