【夏の季語=三夏(5-7月)】尺蠖(しゃくとり)
シャクガという「蛾」の幼虫。
「芋虫」の一種であるが、夏の季語とされる。
体は円筒形で、枝や葉を食べて成長する。歩く時、屈伸するさまが指で尺を取るのに似ているので、この名がある。
動きもどこか愛らしい。
「蠖」の字がむずかしいので「尺取」と書かれることもある。
【尺蠖(上五)】
尺蠖の時を惜しまず戻りけり なかのげんご
尺蠖に瀬戸大橋の桁はずれ 吉田汀史
尺蠖に白紙のページ這はれをり 佐藤ゆき子
尺蠖の道ひろびろと使ひけり 堀切克洋
【尺蠖(中七)】
来し方や尺蠖ほどの節度なく 春名耕作
【尺蠖(下五)】
ΩからまたIを出す尺蠖よ 関悦史