【夏の季語=三夏(5月〜7月)】青嵐
「青葉」の茂るころに吹きわたるやや強い風。
単に「夏の風」というよりも、周囲の木々から若々しいざわめきが聞こえてくるようで、勢いを感じさせる。
荒磯や月うち上げて青あらし 蓼太
など、江戸期から使用されている季の言葉である。
【青嵐(上五)】
青嵐子が職替へる報せあり 福田甲子雄
青嵐神社があったので拝む 池田澄子
青嵐そこ柔らかき草多し 岸本尚毅
青嵐神木もまた育ちゆく 遠藤由樹子
青嵐ピカソを見つけたのは誰 神野紗希
青嵐の椅子のまわりに椅子を置く 川嶋健佑
【青嵐(中七)】
【青嵐(下五)】
千年の礎を吹く青嵐 臼田亜浪
身のどこか窮屈にあり青嵐 波多野爽波
寝ころんで何の思案か青嵐 長谷川櫂
原稿は焼けとカフカや青嵐 髙柳克弘
人悼む時のみぞおち青嵐 藤井あかり
胸指して此処と言ひけり青嵐 藤井あかり
【ほかの季語と】
沢蟹の浮いて走れり青嵐 小島健