青嵐神社があったので拝む 池田澄子【季語=青嵐(夏)】


青嵐神社があったので拝む

池田澄子

ある時、初めて通った道のそばに神社があったのでふらふらと入って行って拝んだ。

数日後、「そういえば忌中は神社への参拝とかしちゃいけないんじゃなかったっけ?」
と思い出した。

母が亡くなってからそうまだ日が経っていなかったのだ。

ネットで検索してみると、いけないということもないと書いてあるサイトもあった。
あるけれど、父母だと50日は控えるようにと。
50日未満でした。

オーマイ……。

しかし、もう拝んでしまったものは仕方ない。
神様も仏さまもその他いろいろ仲良くよろしく
…ってことで。

私があわあわしていたので、お知り合いの神主さんに尋ねて下さった方もあり、「神社は忌中でもお参りして構わないそうです。ただ、沈んだ気持ちを伝えるのではなく、前向きな気持ちでお参りしてください」と。

勿論私の事だから、沈んでなどいなくて、「お、この狛犬は犬なのに猫のポーズ(ヨガの)をしている

いや待てよ、狛犬は犬じゃなくて、元々獅子だったような?それなら猫科だからいいのか」などと能天気に境内を散策したりしていたのだった。

青嵐神社があったので拝む
池田澄子

やっぱり、あったので…拝んじゃいますよね?澄子さん。

青嵐のエネルギーに巻き込まれ、信仰心とか信条とかに関わらず神社があったら拝むのだと刷り込まれていた模様。そんな誘因力がこの句にはある。

杉山久子


【執筆者プロフィール】
杉山久子(すぎやま・ひさこ)
平成元年より作句。第2回芝不器男俳句新人賞受賞。句集『栞』他4冊。紀行文集『行かねばなるまい』

早くから才能を発揮し、芝不器男俳句新人賞、山口県芸術文化振興奨励賞に続き、前作『泉』では第1回姨捨俳句大賞を受賞した著者。宇宙の中の一存在として詠み、しなやかで独創的な感性が煌めく注目の第四句集。

◆帯より

冬星につなぎとめたき小舟あり

過ぎてゆく日常に栞をはさむように句を作っているのかもしれないと、少し前から感じるようになった。
言葉にならないけれど言葉を取り巻くもの、言葉と言葉のあわいにあるものの輝きも、ともに受け取り、味わってゆきたい。(杉山久子

1997年7月~1999年4月、
月刊俳句新聞『子規新報』に連載された
「お遍路は風まかせ」が書籍化!

(まだまだ在庫あります!!)

興味本位からスタートした
ドタバタ四国遍路紀行……

180ページの本書の下端両角には
表紙画も担当した流水彩子のパラパラ漫画付き。
装丁は律川エレキ。


2020年10月からスタートした「ハイクノミカタ」。【シーズン1】は、月曜=日下野由季→篠崎央子(2021年7月〜)、火曜=鈴木牛後、水曜=月野ぽぽな、木曜=橋本直、金曜=阪西敦子、土曜=太田うさぎ、日曜=小津夜景さんという布陣で毎日、お届けしてきた記録がこちらです↓



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【2024年2月の水曜日☆山岸由佳のバックナンバー】
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【2024年1月の木曜日☆浅川芳直のバックナンバー】
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>>〔8〕室咲きをきりきり締めて届きたり 蓬田紀枝子


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