【秋の季語=三秋(8月〜10月)】秋気
【解説】
9月も半ばを過ぎると、残暑も息を潜め、いよいよ秋らしくなってきます。
このころの、ひんやりとした澄んだ秋の空気が「秋気」。
唐の詩人柳宗元の詩「 秋気南澗二集ヒ、独リ遊ブ亭午ノ 時」よるとか。
「秋澄む」という季語と重なりあって、下五で「秋気澄む」と使われることも。
【秋気(上五)】
秋気やがて妖気とならむ夜の闇 林翔
秋気澄む町は昔の名を残し 川崎展宏
秋気澄む伊能忠敬的散歩 佐々木六戈
【秋気(中七)】
地鎮祭秋気秋爽あらたまる 河野南畦
振向かれしことを秋気の背に感じぬ 中村草田男
木下かげ秋気の更に改まる 高浜年尾
黒岩さんと呼べば秋気のひとしきり 歌代美遥
【秋気(下五)】
十一面一仏ごとの秋気かな 文挾夫佐恵
水郷に漕ぐ波に近き秋気かな 志田素琴
熊笹に午後の日のある秋気かな 辻桃子
青鹿毛のいま走りだす秋気かな 正木ゆう子
源流の一滴を掌に秋気澄む 沢田弥生
産土神を村の高みに秋気澄む 川勝ミヨ
【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】