【新年の季語（1月）】年迎う
新年を迎えることを表す文語体の動詞。歴史的仮名遣いであれば、「年迎ふ」。
が何といっても有名である。
【年迎う（上五）】
年迎ふ櫛の歯ふかく髪梳きて 橋本多佳子
年迎ふ鈴を惜まず三番叟 飯島晴子
年迎ふ山河それぞれ位置に就き 鷹羽狩行
【年迎う（中七）】
寅の年迎ふ一病息災に 角川源義
【年迎う（下五）】
ふるさとのころ柿食うべ年迎ふ 臼田亞浪
かびろくてうづの杣山年迎ふ 飯田蛇笏
鰐が川に入る姿や年迎ふ 皆吉司
万物の一塵として年迎ふ 桂信子
まなかひに直幹のあり年迎ふ 鷲谷七菜子
秒針の躍る如くに年迎ふ 深見けん二
山に立ち山に礼して年迎ふ 岡田日郎
白山を斎くごとくに年迎ふ 泉紫像
表札は在りし日のまゝ年迎ふ 星野椿
白さ加へて白山の年迎ふ 片山由美子
草めける犬の睫毛や年迎ふ 篠崎央子
