眼のなれて闇ほどけゆく白牡丹
桑田和子
暗闇でだんだんと目は慣れてくる。その時間の経過を詠んだ俳句として、印象的な一句である。何も見えないところから、白牡丹の白のぼんやりとした輪郭が見てくる、詠まれているのは、その時間だけだ。だから実はこの「白牡丹」は、「白牡丹」にはまだなっていない。その独特の存在感が「白牡丹」の本質でないかと言われてみれば、そんな気もしてくる。不思議な味わいのある一句だ。「俳句界」2020年6月号より。(堀切克洋)
【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】
暗闇でだんだんと目は慣れてくる。その時間の経過を詠んだ俳句として、印象的な一句である。何も見えないところから、白牡丹の白のぼんやりとした輪郭が見てくる、詠まれているのは、その時間だけだ。だから実はこの「白牡丹」は、「白牡丹」にはまだなっていない。その独特の存在感が「白牡丹」の本質でないかと言われてみれば、そんな気もしてくる。不思議な味わいのある一句だ。「俳句界」2020年6月号より。(堀切克洋)
【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】
堀切克洋(ほりきり・かつひろ)
1983年生まれ。2011年7月「銀漢」入会、2014年同人。2014年、第6回石田波郷新人賞奨励賞、2015年、第6回北斗賞準賞、2016年、俳人協会第3回新鋭評論賞大賞、2017年、第8回北斗賞受賞、2018年、第一句集『尺蠖の道』上梓、2019年、第42回俳人協会新人賞、2020年第21回山本健吉評論賞。
HP:http://horikirikatsuhiro.mystrikingly.com/#profil-2
Twitter:https://twitter.com/KHorikiri
当サイト掲載の記事や写真などの無断転載を禁止します。著作権は管理人または執筆者に属します。リンクについては、リンクポリシーをご覧ください。
Copyright © セクト・ポクリット All rights reserved.