【春の季語=三春(2月〜4月)】風船
あまり季節感を感じさせない「風船」だが、改造社版歳時記では、「風船売」の傍題であった。曰く「日かげが暖かく春風のそよそよと吹きわたる巷などには、風船賣の媼さんは風車賣とともになくては叶わぬ景物の一つである」。そのような経緯から、「風船」そのものが春の季語となっている。かつては「風船玉」とも。「紙風船」も春の季語となる。
【風船(上五)】
風船を放せばシャガールの空へ 星野麥丘人
風船のしぼみて舌のやうなもの 岡田一実
風船をみすみす逃す日の終わり 藤田哲史
【風船(中七)】
つながれてゐて風船の土を打つ 加藤楸邨
ミッキーの風船まるい耳ふたつ 今井千鶴子
コンビーフ色の風船もらひけり 千野千佳
【風船(下五)】
【ほかの季語と】
【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】