【秋の季語】秋扇

【秋の季語=三秋(9-11月)】秋扇

「あきおうぎ」。暦の上で秋となってもなお使いつづけている「」のこと。歴史的仮名遣いだと「あきあふぎ」となる。

〈秋扇や高浪きこゆ静けさに〉(水原秋櫻子)のように、漢語として「しゅうせん」(歴史的仮名遣いは「しうせん」)と読ませることもある。


【秋扇(上五)】
秋扇こぼるる水のある如し 西村和子

【秋扇(中七)】
たゝみたる秋扇小さく思ひけり 高橋淡路女

【秋扇(下五)】
板の如き帯にさゝれぬ秋扇 杉田久女
あたゝかき乳房を押へ秋扇 久米正雄
はらからに三十路の果の秋扇 石橋秀野
ままならぬ世をままに生き秋扇 鈴木真砂女
うしろ手にして先生の秋扇 正木ゆう子


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