【冬の季語】クリスマス

【冬の季語=仲冬(12月)】クリスマス

【ミニ解説】

イエス・キリストの降誕を記念する祭で、一般には降誕祭、降誕日、聖誕祭、ノエルなどとも呼ばれるが、俳句では「聖夜」と言われることが多い。「クリスマス」という英語は「キリスト(Christ)のミサ(mass)」という意味に由来する。

日本でクリスマスが受け入れられたのは、1900年(明治33年)に明治屋が銀座に進出し、その頃からクリスマス商戦が始まったことが大きな契機であったとされる。

クリスマスカード」を送ったり、「クリスマスツリー」を飾ったり、「クリスマスケーキ」を食べたりする。


【クリスマス(上五)】
クリスマス魔の宴とは知らずけり 久保田万太郎
クリスマス馬小屋ありて馬が住む 西東三鬼
クリスマス妻のかなしみいつしか持ち 桂 信子
クリスマス昔煙突多かりし 島村 正
クリスマス「君と結婚していたら」 堀井春一郎
クリスマス近づく部屋や日の溢れ 深見けん二
クリスマスとは静けさの中にこそ 稲畑汀子

【クリスマス(中七)】

【クリスマス(下五)】
悲しみの灯もまじる街クリスマス 堀口星眠
へろへろとワンタンすするクリスマス 秋元不死男
みづうみに雪のちらつくクリスマス 今井杏太郎
東京を歩いてメリークリスマス 今井杏太郎
刻かけて海を来る闇クリスマス 藤田湘子
絵硝子の羊まどろむクリスマス 大島民郎
薔薇型のバターを崩すクリスマス 花谷和子
生まれたる子犬の真白クリスマス 牛田修嗣
硝子戸に小さき手の跡クリスマス 大倉恵子
三越の獅子も老いたりクリスマス 増尾信枝
オルガンの鞴の漏れしクリスマス 正木ゆう子
舌しまひ忘れて猫やクリスマス 正木ゆう子
犬の尾のふさふさとしてクリスマス 石田郷子
鳩とガスタンクもうすぐクリスマス 上田信治
東京が瞬いてゐるクリスマス 茅根知子
犬の眉生まれてきたるクリスマス 岡田由季
定食で生きる男のクリスマス  中嶋いづる
ペンギンのネクタイ揃うクリスマス 曽我喜代
ペンギンと空を見ていたクリスマス 塩見恵介
犬の脚人間の脚クリスマス  神野紗希


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