【秋の季語】蛇穴に入る

【秋の季語=仲秋(9月)】蛇穴に入る

秋の蛇」が「秋彼岸」をすぎて、寒さが増す中で「冬眠」の穴に入り込むこと。

穴になかなか入らないでいる蛇は、おかしみを込めて「穴惑」という。

蛇穴を出づ」という春の季語と対応している。


【蛇穴に入る(上五)】
蛇穴に入る時曼珠沙華赤し 正岡子規
蛇穴に入らんとす蘇鉄日当りて 大谷句佛
蛇穴に入る今年もう旅はなし 大野林火
蛇穴に入りて鏡をおもふかな 河原枇杷男
蛇穴に入り湖の青しりへにす 村越化石
蛇穴に入る前すこし遊びけり 能村登四郎
蛇穴に入りたるあとの古戦場 瀧澤伊代次
蛇穴に入り阿蘇五岳残りけり 鷹羽狩行
蛇穴に入る半眼の九品仏 橋本榮治
蛇穴に入りて樹の瘤艶やかに 能村研三
蛇穴に入る日溜りの献血車  仁平勝
蛇穴に入る合掌に隙間あり 鳥居真里子
蛇穴に入るしばらくは水を見て 藤本美和子
蛇穴に入るや茶室の高密度 吉田悦花
蛇穴に入る、少年は間違へる 櫂未知子

【穴に入る蛇】
穴に入る蛇一息に尾を曳けり 棚山波朗



【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】

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