【夏の季語】火蛾

【夏の季語=三夏(5-7月)】火蛾

夏の夜」、燈火に突進してくる「蛾」のこと。「火取虫」とも呼ぶ。


【火蛾(上五)】
火蛾あまたふりつもりたるゴツホの画 加藤秋邨
火蛾どもに街燈滅されてゐる 渡邊白泉
大き火蛾取り疲れたる水銀燈 右城暮石
火蛾舞ふか生涯死者に見つめられ 鈴木真砂女
火蛾は火に裸婦は素描に影となる 岡田一実

【火蛾(中七)】
佛燈や火蛾の翅粉をただよはす 橋本多佳子
潮騒を身ちかく火蛾と海渡る 橋本多佳子
千人針火蛾は燈をうち身を編る 細谷源二

【火蛾(下五)】
恋の胸みだれ果なし火蛾を前 石塚友二

【その他の季語と】
火蛾よ去れ白夜は孤り寝ぬべかり 三橋鷹女



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