【秋の季語】蜩

【秋の季語=初秋(8月)】蜩

耳をすませば夏の間から鳴いている蝉ではあるが、七十二候に「寒蝉鳴ひぐらしなく」(8/12~8/16頃)があるように、アブラゼミなどと比べると、どこか涼しげで儚げな鳴き声であるために、初秋の季語とされている。その鳴き声から「かなかな」とも呼ばれる。


【蜩(上五)】
蜩や久しぶりなる井の頭 柏崎夢香
蜩やチパナスのあたり雲走る 井岡咀芳
ひぐらしや塗り重ねゆく輪島椀 大島民郎
ひぐらしの 方へ行かうといつも思ふ 藤田湘子
ひぐらしや死者のはがきを机の上 小澤實
ひぐらしや木の家に死に石の墓 小川軽舟
蜩や母目醒めれば胎の子も 髙田正子
ひぐらしの声旅信にも染み入らむ 井出野浩貴

【蜩(中七)】
富士朱し暁ひぐらしのやみてのち 黒田杏子
はるかよりはるかへ蜩のひびく 夏井いつき

【蜩(下五)


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