【秋の季語】鳥渡る

【秋の季語=晩秋(10月)】鳥渡る

食糧、環境、繁殖などの事情に応じて、鳥が日本列島に渡ってくること。

渡り鳥」には、春に南方から渡来して、秋に再び南方に渡去する「夏鳥」と、秋に北方より渡来して、春に再び北方に渡去する「冬鳥」があるが、俳句の季語としては後者を指し、秋の季語として理解される。一方で「鳥帰る」は春の季語となる。


【鳥渡る(上五)】
鳥渡るこきこきこきと罐切れば 秋元不死男
鳥渡る旅にゐて猶旅を恋ふ 能村登四郎
鳥渡る勤め帰りの鞄抱き 深見けん二
鳥渡る空より高き廃墟かな 山田弘子
鳥渡る風にいくつも覗き穴 渋川京子
鳥渡る老人ホームのティータイム  山尾玉藻

【鳥渡る(中七)】

【鳥渡る(下五)】
新宿ははるかなる墓碑鳥渡る 福永耕二
力抜けばどこかに力鳥渡る 手塚美佐
みずいろの肉となるまで鳥渡る 三宅やよい


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