【冬の季語】捕鯨船

【冬の季語=三冬(11月〜1月)】捕鯨船

」を捕まえるために用いられる船のことである。
捕獲した鯨の処理・冷凍を行う大型の「母船」から、小型で素早い「キャッチャーボート」まで、さまざまな種類がある。また、かつては「勢子舟」のような伝統的な「鯨舟」も存在した。

日本は縄文時代からクジラを利用してきたとされるが、世界的な資源保護の流れや反捕鯨論の高まりにより、1982年に国際捕鯨委員会(IWC)は商業捕鯨の一時停止を採択。日本も商業捕鯨を中断し、1987年からは調査捕鯨を継続してきた。しかし反捕鯨国との溝が埋まらず、日本は2019年にIWCを脱退。同年7月から商業捕鯨を再開しており、自国の領海と排他的経済水域(EEZ)内で、資源管理に基づいて捕獲可能量を決めながら(脱退後もIWCで採択された改定管理方式=RМP=を利用)、鯨漁を行っている。

古式捕鯨にみる「人の行き来」と「技の伝播」https://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no54/07.html


【捕鯨船(上五)】
捕鯨船かなしき別れ妹を抱き 山口青邨
捕鯨船荒涼と日のあたりたり 榎本冬一郎
捕鯨船まばたきの音大きかり 小林貴子

【捕鯨船(中七)】
街の女窓に捕鯨船霧を出づ 宮武寒々

【捕鯨船(下五)】
己が吐く煙の中の捕鯨船 酒井竹馬
静かなる入港調査捕鯨船 小島 健
荒波の海を削りし捕鯨船 青園直美


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