
【冬の季語=初冬(11月)】神の留守
陰暦十月は「神無月」と呼ばれ、全国の八百万の神様がこぞって出雲大社に集まるとされた。俳句では「神留守」とも。
芭蕉に〈留主のまに荒れたる神の落葉かな〉とあるのは、元禄4年10月29日、2年半ほどぶりに芭蕉が江戸に帰ってきたときの機知の一句。
【神の留守(上五)】
神の留主留主とおもへば神の留主 上島鬼貫
神の留守かうかうと風のある樹かな 久米三汀
神の留守あたたかといふ童女かな 田中裕明
【神の留守(中七)】
【神の留守(下五)】
安産の底抜柄杓神の留守 馬場菊子
白き魚うつつに焦がす神の留守 柿本多映
スリッパのあまたぬがれて神の留守 浅沼璞
密談の鴉の睨む神の留守 萩原空木
沛然と雨の港区神の留守 太田うさぎ
玄関に風呂敷包み神の留守 大和田アルミ