【夏の季語】夏草

【夏の季語=三夏(5月〜7月)】夏草

夏に繁茂する草のこと。暑さでも枯れることなく、ぐんぐんと伸び続ける。

 夏草や兵共がゆめの跡 松尾芭蕉(「奥の細道」)

 夏草に汽罐車の車輪来て止る  山口誓子

などの句がよく知られている。


【夏草(上五)】
夏草に延びてからまる牛の舌 高浜虚子
夏草や墓は母国の文字を彫る 野見山朱鳥
夏草に沈む廃車の枯れ急ぐ 穴井太
夏草に敗れし妻は人の蛇 攝津幸彦
夏草の道踏み惑ひゐたらずや 大石悦子
夏草を分けまつさをな妣の国 恩田侑布子
夏草へちらばるジャポニカ学習帳 津田このみ
夏草をつけたる犬の匂ひかな 足立枝里

【夏草(中七)】
六尺の夏草を刈る女かな  正岡子規
ゆさぶりて覚め夏草の夢違い 和田悟朗

【夏草(下五)】
ことばもたぬ守衛の孤独夏草に 栗林一石路

【ほかの季語と】
まくなぎを払ふ扇子の香りけり 日原傳



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