【夏の季語=初夏(5月)】夏落葉
初夏、常緑樹である松や杉などの樹木が、新芽が芽吹く時期に古い葉を落とす。
「落葉」は冬の季語とされているため、「夏落葉」という。
常緑樹のことを「常磐木」と呼ぶことから、「常磐木落葉(ときわぎおちば)」ともいう。
【夏落葉(上五)】
夏落葉有髪も禿頭もゆくよ 金子兜太
夏落葉降るや起ちても座りても 宇多喜代子
【夏落葉(中七)】
下鴨の夏落葉母のうしろにも 田中裕明
【夏落葉(下五)】
水中に風の見えゐて夏落葉 手塚美佐
高き音たて紫烟草舎の夏落葉 飯島晴子
森の奥しんと明るく夏落葉 今井千鶴子
引き上げし生簀の底に夏落葉 茨木和生
見れば降るくらやみ坂の夏落葉 藺草慶子