【夏の季語(晩夏=7月)】夏惜しむ
「春惜しむ」や「秋惜しむ」にならって、「夏惜しむ」という言葉が使われることがあるが、時期的には7月下旬から8月上旬となるため、実感としての夏(たとえば「夏休み」)はまだ続くころである。それでも自然のなかには、秋の気配が感じられることがある。「夏の果」や「夏終わる」などとも。
【夏惜しむ(上五)】
夏惜しむフランスパンも男根も 高野ムツオ
夏惜しむ岬の先に火を焚きて 遠藤若狭男
夏惜しむサーフボードの疵なでて 黛 まどか
【夏惜しむ(中七)】
一湾の弓なりに夏惜しみけり 片山由美子
【夏惜しむ(下五)】
少年は必ず老いて夏惜む 八田木枯