【春の季語】下萌

【春の季語=初春(2月)】下萌

春になり、冬枯の地面から草が萌え出ること。

「え」は送らず「下萌」と書くこともある。「草萌」とも。

動詞として「草萌ゆる」「下萌ゆる」として用いられることもある。


【下萌(上五)】
下萌えの大磐石をもたげたる 高浜虚子
下萌のいたく踏まれて御開帳 芝不器男
下萌や二歩に三歩に畦木影 高野素十
下萌や君病む大事ふと忘る 殿村菟絲子
下萌やすでにまぶしき野の彼方 井沢正江
下萌のいづこともなく水谺 日向野貞子
下萌えに伏す鹿われを見てをりぬ  江原富美子
下萌えや犬が駈ければ家鴨まで 小田まこと

【下萌(中七)】
柴焼いて下萌の風起りけり 室生犀星
やせ地なる下萌求め羊達 坊城中子

【下萌(下五)】


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