【夏の季語】羅(うすもの)

【夏の季語=三夏(5-7月)】羅(うすもの)

羅(うすもの)は、薄く織られた絹織物のこと。

目が荒く通気性に優れており、夏用の織物として用いられる。

羅とは、鳥を捉えるための「網」が由来となっており、経糸同士が左右で絡み合うようにして織られているが、織り方が複雑すぎて
一時は技術が途絶えてしまっていたものを昭和になって北村武資氏が復元した。

本物の羅は限られた高価だが、一般に羅の帯、羅のコートと呼ばれるものは、太めの糸で荒く織られた「荒紗」をいう。


【羅(上五)】
羅をゆるやかに着て崩れざる 松本たかし
羅のひとのなかなか頑なに 波多野爽波
羅や鍋釜洗ふこと知らず 鈴木真砂女
羅や人悲します恋をして 鈴木真砂女
羅や母に秘めごとひとつあり 矢野誠一
うすものの草書のやうな立居かな 柴田多鶴子
羅のなよやかに我を通さるる 西村和子
羅におくれて動くからだかな 正木浩一

【羅(中七)】
なすことも派手羅の柄も派手 杉原竹女

【羅(下五)】

【ほかの季語と】
羅に汗さへ見せぬ女かな 高濱年尾


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