【秋の季語】ハロウィン/ハロウィーン

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【秋の季語=晩秋(10月)】ハロウィン/ハロウィーン

カトリック教会では、毎年11月1日を「諸聖人の日」(または「万聖節」)としています。カレンダーでは365日、すべての日に聖人が割り当てられているわけですが、その全員をお祝いする日。出雲に神様が集合する「神の留守」のような感じですね。

「諸聖人の日」の翌日(11月2日)が「死者の日」(または「万霊節 All Souls’ Day」)で、これは日本でいうところの「お盆」にあたります。普通は、生きている人間が死後のために祈るわけですが、この日だけは「すでに死んだひとたちのため」に祈る日。なぜなら、天国にいけるかどうかの「振り分け」に役立つと考えられているからです。

こうした風習で有名な国のひとつはメキシコで、ディズニー/ピクサーの映画「COCO」(2017年)でも描かれています。

南瓜を細工して、魔女のコスプレをして、子供たちが近所にお菓子をもらいに回る……というような風習は、カトリック圏にはあまりなくて、アメリカの民間行事です。あの「お化けかぼちゃ」は、ジャック・オー・ランタン(Jack-o’-Lantern)と呼ばれますが、アメリカ人小説家ワシントン・アーヴィングが、短編小説「スリーピー・ホロウ」(1820年)のなかで描いた描写がきっかけとなって、これがハロウィンのシンボルとなったそうです。

一方で、「トリック・オア・トリート」のほうは、ソウリング (Souling) と呼ばれるヨーロッパのケルトの風習が元になっているもの。イギリスでは、10月31日から11月2日までの3日間を「Allhallowtide」と呼びますが、ソウルケーキと呼ばれる(あるいはシンプルに「Souls」ともいう)お菓子を食べます。中央に十字の模様の入ったショートブレッドのような姿をしているお菓子です。

日本では、1980年代までそれほどハロウィンの知名度は高くなかったのですが、ある事件がきっかけで、知られるようになりました。それは、アメリカに留学していた青年が、ハロウィンで隣人宅に赴いたところを銃殺されるという痛ましい事件でした。当時の報道によれば、「freeze(動くな)」という言葉を「please(どうぞ)」と聞き間違えたことも一因になったということだったと思います。1992年のことでした。

1997年、東京ディズニーランドでハロウィンのイベントが開催され、その5年後の2002年には、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでもハロウィンイベントが開催されてました。こうして人気テーマパークで開催されることにより、日本でのハロウィン人気は不動のものとなり、渋谷で若者が乱痴気騒ぎを起こすという社会問題にまで発展するようになりました。

良くも悪くも、宗教色の薄い日本では「ハロウィン」はただのイベントのように見られがちですが、その背景には日本の「お盆」にあたる宗教的な節目があることは、知っておいてよいかもしれません。そして暦の上でも、それが「立冬」と(つまり「神の留守」と)ほぼ重なり合っているということも、大事なポイントでしょう。ヨーロッパのような高緯度の地域では、クリスマスつまり「降誕節」までどんどん日が短くなっていきます。

ちなみに、日本にもかつて「西瓜提灯」というジャック・オー・ランタンに似た遊びがありました。改造社『俳諧歳時記 夏』によると、「西瓜又は瓜を刳抜きて中に蠟燭を立て燈を點じ絲にて吊るし柄を附したるものなり。野趣ある子供の玩具なり」とのこと。

 もろ手入れ西瓜提灯ともしけり 大橋櫻坡子

「西瓜」にしても「南瓜」にしても、人間の顔と同じくらいの大きさなのが、関係しているのかもしれませんね。

【関連季語】西瓜、南瓜、晩秋、立冬、神の留守、降誕節、クリスマスなど。


【ハロウィン/ハロウィーン(上五)】
ハロウィンの魔女にかこまれゐる男 山口素基
ハロウィンの魔女乗り合はす昇降機 我部敬子
ハロウィンあの魔女の子に影がない たかはしすなお
ハロウィンの魔女と出くはす風邪心地 藤田素子
ハロウィンを人の仮装で通しけり 鈴木光影
ハロウィンのお化けのままに眠りをり 堀切克洋

【ハロウィン/ハロウィーン(中七)】
校庭にハロウィンの魔女集合す  火箱遊歩

【ハロウィン/ハロウィーン(下五)】
キャラメルの函の天使やハロウィン 星野麥丘人
担任に似たる南瓜やハロウィーン 山火律子
まず猫を驚かせたるハロウィーン 板垣道代
妖精が駄々こねてゐるハロウィーン 髙橋双葉



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