【冬の季語=三冬(1月)】冬波(冬浪・冬濤)
冬場の海の波(浪・濤)のこと。
岩に激しく砕け散る白波は、寒さとあいまって見る者を不安にかきたてる。
厳密な定義があるわけではないが、「波浪」ないしは「波濤」は、「大波」を意味する熟語であるためか、「浪」や「濤」のほうが、勢いや厳しさを想起させるところがある。
【冬波(冬浪・冬濤)(上五)】
冬波に乗り夜が来る夜がくる 角川源義
冬浪のつくりし岩の貌を踏む 寺山修司
【冬波(冬浪・冬濤)(中七)】
一枚の冬波湾を蔽ふとや 高野素十
玄界の冬涛を大と見て寝ねき 山口誓子
牧水碑冬濤うれひひびくなり 石原舟月
白脚絆冬涛とほく崩れけり 斎藤梅子
【冬波(冬浪・冬濤)(下五)】