【夏の季語=晩夏(7月)】水鉄砲
みずでっぽう。歴史仮名遣いだと「みずでつぱう」と書く。
日本では古くから、竹筒の先の穴から水を噴き出す水鉄砲も存在し、「水弾(みづはじき)」とも呼ばれ、遊戯以外にも実用消火器として古くから利用されてきた。現在ではもっぱら、お互いに水を掛け合って遊んだりするための玩具である。
【水鉄砲(上五)】
水鉄砲松に走りて光りけり 長谷川かな女
水鉄砲いちばん好きな母を撃つ 小田切文子
水鉄砲受けて母の威新たにす 上田日差子
【水鉄砲(中七)】
身細めて水鉄砲の水となる 後藤比奈夫
裏切の水鉄砲を受けて立つ 堀田季何
月へ撃つ水鉄砲の水の綺羅 堀本裕樹
昼深しみづでつぱうの的の犬 安里琉太
テロの世の水鉄砲という遊び 音羽和俊
【水鉄砲(下五)】
樹に池に降り来る音や水鉄砲 鈴木花蓑
腕白に恋らしきもの水鉄砲 小沢昭一
石塀へ水鉄砲のためし撃ち 岡本眸
撃たれたき子の迫り来る水鉄砲 保田貴子
【その他の季語と】