【夏の季語】蚊

【夏の季語=三夏(5-7月)】蚊

蚊の栄養は糖分であるため、ふだんは花の蜜などを吸って暮らしているが、メスの蚊は吸血することによって卵巣を発達させ卵を産むため、人を刺すこともある。まとまって飛んでいるものを「蚊柱」と呼ぶ。

幼虫は「孑孑(ぼうふら)」。


【蚊(上五)】
蚊の声や夜深くのぞく掛け鏡 飯田蛇笏
蚊に食はれ籔蚊に食はれ血が減りぬ 相生垣瓜人
昼の蚊を払ひ庵主のごとく坐す 鷹羽狩行

【蚊(中七)】
顔面の蚊を婦人公論で叩く 佐山哲郎
迂闊にも蚊の巣窟にゐるらしく 長谷川櫂

【蚊(下五)】
湧く風よ山羊のメケメケ蚊のドドンパ  渡辺白泉
戦時の窟人間くさき蚊が棲むよ 鷹羽狩行
音楽で食べようなんて思うな蚊  岡野泰輔

【自由律】
すばらしい乳房だ蚊が居る 尾崎放哉

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