【夏の季語】青田

【夏の季語=晩夏(7月)】青田

稲が成長し青々とした田になること。

梅雨の時期を経て、稲はぐんぐんと成長する。

七月に入ると稲はさらにその丈を増し、青い穂がいっせいに風になびくので、「青田風」として詠まれることもある。

歴史的仮名遣いは「あをた」。


【青田(上五)】
夕青田見てゐる父のやうな人 本宮哲郎
青田中信濃の踏切唄ふごとし 大串章
青田また青田サイゴン南下せり 吉藤春美

【青田(中七)】
川面吹き青田吹き風袖にみつ 平塚らいてう
千枚の青田 渚になだれ入る 佐藤春夫
父の葬列父の青田の中通る 表鷹見
合掌の村に青田の迫りくる 宮本郁江
石斧出て峡の青田の浮上せり 石井野洲子

【青田(下五)】
筑波までつづく青田の広さかな 平塚らいてう
選挙カー連呼せず過ぐ青田道 日下徳一
瞬間移動洗濯機から青田まで 今井 聖
カルピスの薄目の実家青田波 松岡佐緒理

【ほかの季語と】
鷺一ツ下りて青田の風薫る 正岡子規


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