季語・歳時記

【春の季語】三月

【春の季語=仲春(3月)】三月 

新暦の3月には「啓蟄」(3月5日、6日ごろ)や「春分」(3月20日、21日ごろ)が含まれる。

地域によっては「」も咲き始め、「」が舞い始め、「」が歩きはじめ、いよいよ「春めいて」くるころ。「卒業」のシーズンでもある。

歴史的仮名遣いだと「さんぐわつ」となる。


【三月(上五)】
三月の又うつくしきカレンダー 下田実花
三月やモナリザを賣る石畳 秋元不死男
三月の旅の支度にパスポート 千原草之
さんぐわつは忌の多き月葉の雫 八田木枯
三月の甘納豆のうふふふふ 坪内稔典
三月のお尻にさはる痴漢とは 筑紫磐井
三月は人の高さに歩み来る 榎本好宏
三月のひかりの色のメロンパン 金子敦

【三月(中七)】
残り餅焼く三月のくらき炉火 能村登四郎
待てば来る三月も又幸せも 川口咲子
母子犬之図と三月の硝子戸と 山西雅子

【三月(下五)】
人棲まぬ山から昏れて三月は 茨木和生




【セクト・ポクリット管理人より読者のみなさまへ】



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 【冬の季語】寒の内
  2. 【夏の季語】草ロール
  3. 【夏の季語】涼しさ
  4. 【秋の季語】秋気
  5. 【夏の季語】シャワー
  6. 【秋の季語】秋めく
  7. 【冬の季語】忘年会
  8. 【秋の季語】銀漢

おすすめ記事

  1. 【冬の季語】冬薔薇
  2. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第20回】遠賀川と野見山朱鳥
  3. 蓮根や泪を横にこぼしあひ 飯島晴子【季語=蓮根(冬)】
  4. 辛酸のほどは椿の絵をかけて 飯島晴子【季語=椿(春)】
  5. 【クラファン目標達成記念!】神保町に銀漢亭があったころリターンズ【7】/中島凌雲(「銀漢」同人)
  6. 【第6回】ラジオ・ポクリット(ゲスト:阪西敦子・太田うさぎさん)【前編】
  7. ひきだしに海を映さぬサングラス 神野紗希【季語=サングラス(夏)】
  8. 【夏の季語】涼しい
  9. 【夏の季語】玉虫
  10. Tシャツに曰くバナナの共和国 太田うさぎ【季語=バナナ(夏)】

Pickup記事

  1. 【秋の季語】天の川
  2. 【連載】もしあの俳人が歌人だったら Session#13
  3. 【冬の季語】水仙
  4. 干されたるシーツ帆となる五月晴 金子敦【季語=五月晴(夏)】
  5. 神保町に銀漢亭があったころ【第31回】鈴木忍
  6. 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第18回】塩竈と佐藤鬼房
  7. 「野崎海芋のたべる歳時記」卵のココット
  8. 【短期連載】茶道と俳句 井上泰至【第8回】
  9. 先生が瓜盗人でおはせしか 高浜虚子【季語=瓜(夏)】
  10. 秋の日の音楽室に水の層 安西篤【季語=秋の日(秋)】
PAGE TOP