【秋の季語】墓参

【秋の季語=初秋(8月)】墓参

「ぼさん」または「はかまいり」。「り」は送ることもあるし、送らないこともある。

7月、または8月の13日は「お盆」の初日。 つまりご先祖様の魂があの世からこの世へと帰ってくる日とされ、 お迎えの意味も込めて、この日にお墓参りを行う。季語としては、「墓洗ふ」「掃苔」などとも。

また、名詞ではなく動詞で使われることもあり、以下の長い句が有名である。

凡そ天下に去来程の小さき墓に参りけり 高浜虚子

『猿蓑』の編者でもある向井去来の墓は、京都嵯峨野の「落柿舎」にある。向井去来の別荘であり、芭蕉も何度かここを訪れて「嵯峨日記」を書いたことはよく知られている。庭や周辺には芭蕉の句碑をはじめ虚子など句碑がたくさんある。

→ コトログ京都「去来の墓」


【墓参(上五)】
墓参ほめられし句を口ずさみ 波多野爽波
墓参より戻りてそれぞれの部屋に 波多野爽波
墓参後を他の墓多し雀多し 三橋敏雄
墓参生きれば生きる程楽し 竹村翠苑

【墓参(中七)】
たちまちに墓参の顔を忘れけり 田中裕明

【墓参(下五)】
夕月や涼みがてらの墓参り 小林一茶 
墓を去る時に笑ふや墓参り 永田耕衣
にぎやかな一団となる墓参かな  足立枝里
妻から指をつないで帰る墓参かな  山口優夢


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