【秋の季語】糸瓜

【秋の季語=初秋(8月)】糸瓜

きゅうり、ゴーヤとならぶ「瓜」科の植物。間の抜けたかたちが愛らしい。いとうり。

俳句では、正岡子規の絶筆となった

糸瓜咲て痰のつまりし佛かな
痰一斗糸瓜の水も間に合はず
をとゝひのへちまの水も取らざりき

がよく知られている。「糸瓜忌」は9月19日で、正岡子規の忌日のこと。

糸瓜の花」は、夏の季語。


【糸瓜(上五)】
糸瓜棚この世のことのよく見ゆる 田中裕明

【糸瓜(中七)】
魔がさして糸瓜となりぬどうもどうも 正木ゆう子
どれも真実 長瓜のつゆぬぐってる 松本恭子

【糸瓜(下五)】
よく見たる右廻りなる糸瓜蔓 高浜虚子
ぶらさがるもののあはれやおほへちま 土井田晩聖
むつかしく考へてゐる糸瓜かな 小川軽舟

【自由律】
けふはおわかれの糸瓜がぶらり 種田山頭火


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