【夏の季語】十薬

【夏の季語=仲夏(6月)】十薬

「どくだみの花」のこと。

『大和本草』(1708年)に「わが国の馬医これを馬に用いると、十種の薬の効能があるので、十薬といふ」とあるように、古くから生薬やお茶などに広く利用されてきた。


【十薬(上五)】
十薬を抜き捨てし香につき当る 中村汀女
十薬の蕊高くわが荒野なり 飯島晴子
十薬の花に清貧問はれけり 太田土男
十薬や予報どほりに雨降り来 栗山政子
十薬のつぼみのやうな昔あり 遠藤由樹子

【十薬(中七)】
墓群よりも十薬ひしと寄り合へる 石田波郷
母は病む十薬の花咲きさかり 鈴木しづ子
雑然たり十薬の花咲く他は 加倉井秋を

【十薬(下五)】


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