【秋の季語】啄木鳥

【秋の季語=晩秋(10月)】啄木鳥

森林、草原などに生息する鳥。その名の通り木を突いて穴を開ける行動で知られ、毎秒およそ20回もの速度でくちばしの尖った先端を打ち付けて掘削する。コゲラ、アカゲラ、アオゲラなどキツツキ科の鳥の総称である。

俳句では、〈啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々〉という水原秋櫻子の句がもっとも知られているが、巣をつくるには「枯木」または、枯れかけた部分がないと樹液が出てくるので、鳥にとっても不都合になる。また、紅葉の時期、木々が葉を落とし始めると、コゲラなどの姿がよく見かけられる。近年では、山林にとどまらず、町中でも見かけることがある。「けらつつき」とも。


【啄木鳥(上五)】
木つつきや一つ所に日の暮るる 小林一茶
啄木鳥に俤も世もとどまらず 加藤楸邨
啄木鳥や木に嘴あてて何もせず 能村登四郎
啄木鳥やつゆけき薪を焚きはじむ 堀口星眠

【啄木鳥(中七)】
頸つよき啄木鳥を聞く淋しさよ 三橋敏雄

【啄木鳥(下五)】


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